とっぷり闇の底に 腫れあがったお月さま
それは低く沈んでいた
すました顔して ヒカってくれりゃ
ねがいのひとつもかけて 通りすぎられるのに
この 赤くむくんだ姿は あたしの内臓をえぐってくる
しばらくとらわれていた
ふと我にかえったのは クラクションをならされて
道の真ん中で 立ちつくしていたらしい
ざわざわがシャツの中におさまりません
眠らせていたキライな自分に そのにぶい光は届いていまうのだ
ココロの毒が 肌にひろがっていく
かさぶたみたいに イタミと引きかえにはがしたいけど
はりついたシルシは なかなか消えてくれない
ニンゲンだからなのか オンナだからなのか
そんなカンタンな理由なのか
アカルイですね ゲンキですね
そう 何もかんがえてはいけないのです
イイじゃない ちょうじりあわせで毎日はながれていく
でも できません
わらっていても ちょっと違う
こなすだけの時間じゃ またオカシクなってくるから
月はあたしを くるわせる。